Galactic Civilizations II (以下GC2)は2004年に発売されたCIVを基礎としたターン制宇宙シミュレーション Galactic Civilizations の続編である。 前作がそれほど話題にならなかったためか、当初はStardock Entertainment, Inc社が打ち出した「GC2にはコピーガードを付けない」という方針に話題が集中した。(これは何もコピーし放題というわけではなく、予め用意されたIDを入れないと次回パッチが使用できないというものである。だがそれを知らずに、Stardock Entertainment, Inc社の姿勢を全面的に指示していたコピーユーザーが、後にパッチがDL出来ないと知り猛烈に非難した) ところが、ゲーム販売直後から、そのゲーム性の高さにファンの賞賛をあび、SFシミュレーションとして破格の売り上げを伸ばしゲーム雑誌XPlayより5つの賞を得るに至った。だが基本的にGC2はシステム的に完成の域には達してはおらず、未搭載の機能や不具合がしばし発生する。だが開発会社は小まめにパッチをだしているので、これらの改善は期待できるだろう。
■ ストーリーと最終目標
メインストーリー [Dread lords Campaign (恐怖の大王キャンペーン) ] から始まり各カスタム・シナリオとカスタム・マップがそれぞれ3本付属しているが、SFシミュレーションの基本であるランダム生成機能も搭載しているので ( 星の配置や惑星の名前が、さらに新verでは種族の性格や数までランダムに配置される ) ので、各シナリオを一通り遊びおえても、ニューゲームで始めれば何度でも新鮮に楽しめる仕様となっている。
勝利条件は4つ、基本は征服勝利で設定で有無を指定できるのは「同盟、文化、研究」勝利の3つである。 基本の征服勝利は最もポピュラーな条件で、そのものずばり自国以外の文明国家を滅ぼすことにより勝利できる。次に同盟勝利だが、条件の「全種族との同盟」は一見すると難しそうだが、同盟できない文明は滅ぼして消滅させても構わないので、征服勝利よりも一段楽な勝利方法と言えるだろう。 研究勝利は、指定された技術を全て完成させることで勝利できるというもの。これは同盟勝利と違い楽そうに見えるが技術は膨大な数に上るうえに、艦艇や生産技術など自国を強化する研究も考えて行わないと、敵の侵攻をうけてあっさりと滅びる場合もあるので、開発系統をしっかりと把握し、足りない分は外交などで確保しないと達成はなかなか難しい。計画性が必要な勝利条件と言える。 最後の文化勝利は説明が必要だろう。国家にはそれぞれ固有の文化というものが設定されている。惑星ごとに得られる数値がきまっており、これは外交施設や宣伝機関などを作ることにより増やすことができる。 この「文化の影響力」が増えると、国家の支配圏(国境)が増大する。この支配圏が全銀河マップの75%以上に広がると文化が世界に広まったと言うことで勝利となる。 今ひとつピンとこないかもしれないが、現実に照らし合わせると、日本が欧米化し、ファーストフードや英語が街中にある状況を想像すれば分かりやすい。「日本はアメリカの文化的影響を受けている」とゲーム的には言える。 なお「文化勝利を目指さないから影響力なんて考えない」などと思わぬように、この支配圏に飲み込まれた惑星は徐々にその文化が浸透して行き、最悪支配圏の国家に寝返る事もあるのだ。
■ ゲームの流れ GCUはCIVを基本として作られているため、基本的な流れはほとんど同じである。まず最初に未開の地を探検し、有用な惑星があれば植民を行い施設を建てる。探索の最中に様々な国家と出会い、外交を行う技術やユニットを交換、あるいは金銭で売買し、徐々に国家を強力にしていき、最後は目標を達成する。この辺りはCIVユーザーには馴染み深くすんなりと入っていけるだろう。 ただCIVと根本的に違うのは思想(価値観)と思想同盟、それに銀河連合の存在だろう。 多くの種族と出会う内に銀河連合が自動的に発足する。これは全銀河の法と秩序を守る組織であるが完全に各国を縛ることは無く、 途中から各国はそれぞれの思想(価値観)に動きだし、全銀河を巻き込む大戦へと発展する。 この思想(価値観)による同盟を思想同盟と言い。ユーザーは発生したイベントの選択しだいで、どの陣営につくかを決めることになる。
■ 探索と植民
最初に保有している「旗艦」と惑星探索に向わせよう。ミニマップには恒星の場所が記されているので、そこに船を向わせればOKだ。探すのが面倒な場合は、オプションでさらに詳しく惑星の位置を表示させることもできる。母星の近くに必ず一つは植民可能な惑星があるので、そこに「移民船」を向わせよう。ただ火星のように価値の低い惑星は施設もあまり建設できないので、割り切って探索に出発させても手だ。 ■ 内政と税率に気をつけよう GC2で一番気をつけなければいけないのが内政である。基本的に内政は税率バーや、工場の生産割当てバーを変動させて行うので、操作自体は難しいということは無い。ただし、多くの項目で連動しているので注意が必要だ。 国家内政の全体的を掌握しているのが内政管理画面である。ここでは唯一「税率」と「国家の総工業力」の割当を変更できる。税率は上げると収入が増える代わりに国民の支持率が下がり、下げると税金が下がり国民の支持率が上る。 国民の支持率が下がると、国民は国を捨ててどこかへ行ってしまうので注意しよう。逆に税金が下がると国民は生活に安心して出産(?)するのか人口の増加率が上り税金も増えるので、長期的にみれば多少の減税を行った方が良い。
特に気をつけなくてはならないのが、各惑星の独立や亡命である。中盤以降になると民主化の波が訪れ、いつしか連邦制度となり地方自治、すなわち各惑星の自治権拡大へと国家体制が移行する。惑星の自治権が拡大すると比例して収入も増大するのだが、その反面支持率が低いと簡単に他国に亡命して支配下に入ったり、独立してしまう事態も発生してしまう。「支持率なんて気にせず爆進」も最初の帝国時代は良いが、そのまま中盤以降もその調子で進めると手痛いしっぺ返しを受けることになる。
税金は計画的に!とは金融業者のCMでは無いが工場割当を増やしたり、減税を行うなどして、出来ればプラスマイナス0…それでは買物ができないので+5〜+10ぐらいを目安にして収入を安定させよう。 なぜなら税金を多く得られれば得られるほど、国民の支持率は下がってしまうからだ。 憶測だが「収入があるなら税率を減らせ!」という国民の声なのだろう。 これは以外と盲点なので気をつけた方がよい。 知らないうちに支持率が下がっている場合は、大抵税金収入の拡大によるものである。 工場の割当の下には、さらに軍事生産、社会投資、研究開発という項目がある。国家の工業力を、どの項目に主眼を置いて活動させるかという意味である。研究に重点をおけば、研究開発が早くなるだろうし、社会投資の割当をふやせば建設速度もあがるだろう。 国家…という言葉でピンとこないかもしれないが、要する全惑星の工場割当の変更という意味である。例えば、ここで軍事生産を0%にしてしまうと全ての惑星で艦艇の生産がストップしてしまう。逆に社会投資を100%にすれば全惑星で施設建設が活発となるのだ。 だが当然、一つの惑星にだけ生産を行いたい。という場合も出てくるだろう。その場合は直接惑星の工場項目をクリックして動かすこともできる。 効率的に運用する為にも内政は小まめに行おう。 社会投資は基本的に建設作業のみに使うので一通り建設作業が終了したら割当を低くして軍事生産や研究開発に割り当てるとよいだろう。
GC2の宇宙戦闘はCIV系統だけあって、とてもシンプル。さすがにCIVのように一対一の戦いばかり、ということは無く艦隊を編成できるが、それでも最大8隻×8隻の戦いでしかない。 しかも指示を与えることもできず傍観することしかできないのが歯がゆい。 だが戦闘シーンをバッサリと切り落とした事により、ゲーム自体のテンポはとてもよくサクサクとゲームは進行する。だが、艦隊戦を重きにおいている人には受入れられないかもしれない。
「艦艇を設計することは楽しみであるだけでなく、しばし勝敗をわけます」とはヒントの言葉だが、戦闘においては、まさしくその通りで基本設計は目安として考えて当てにしない方が良いだろう。 他国は自分達の設計思想にもとずいた軍艦を設計して投入してくる。 そのため、基本設計の戦闘艦を用いても中盤以降は戦いにならなくなる。それに対抗するためにはプレイヤーも色々と設計しなければならない。
■ 外交&交易 GC2の最大の肝は外交にあると言っても過言ではない。単に外交で相手にお金を渡せば友好が上るというものでは無く(もちろん無償で金銭なり技術を提供すれば一時的に友好度はあがる)色々な要素が絡みあって関係は形成される。国境が接している。前回交戦したため怨念が残っている。平和主義者なので軍事大国が嫌い。元奴隷と主人だ。援助要請をした時に助けてくれた。思想(考え方)が違う。長年の交際による友情などなど… ある国家は軍事力が好きなら、ある国は軍事力が嫌いな国家もある。種族によって性格が違う為、一概にどうこうとは言えない。そのため必ず友好的な種族と敵対する種族が存在してしまうが、唯一、どの種族の感情に訴える方法がある。それは交易を行い双方に物流体制を整えることである。人の往来があると、お互いの理解が深まるためか、無条件で友好度がプラスされる。しかも自国の影響力が貿易により増大し、貿易企業から税金も取れる。まさに一石三鳥の素晴らしい手段である。
ただ注意しなければならないのが、プレイヤーが悪人街道まっしぐらに進んでいる場合である。基本的に邪悪陣営は鬼畜な手段により内政力が高くなる反面、他国から反感をうけて貿易路が制限される傾向がある。貿易は大きくなれば莫大な富を生み出す。貿易で活路を見出したい場合は中立か善人となり、なるべく悪の誘惑は断ち切るべきだろう。 ■ 銀河同盟と思想同盟 探索を行い銀河の全貌が明らかになってくると、あらゆる種族と出会い接触することになるだろう。しばらくすると銀河同盟が設立されるようになる。銀河同盟はいわゆる国連にあたり、「銀河の平和を保つ」為に主要民族9カ国は自動的に加盟して運営することになる。銀河同盟は年に一度評議会を収集し、銀河全体の法律制定(や問題解決)を行う。 法律そのものには強力な拘束力があり、如何なる状況であれ銀河同盟の一員である以上法律から逃れられることはできない。なお少数種族は評議会には出席できないが法的拘束力は受けるようだ。
「銀河の平和を保つ為に創設された」わりには、加盟国どうしは簡単に戦争に突入する。どうも文明間の衝突を回避できるほど親密な間にはならないようだ。 その代わりに同じ思想を持つもの同士が連携を組むようになり、同盟を結ぶようになる。 思想は3つ存在し、その上下はおもにイベントなどにより変化する。
それぞれ特色があり、ボーナスとペナルティが存在する。流れを見る限り、法と秩序を重んじる”Good”陣営は貿易関係が優遇される変りに、国民の安全や安心を重視する人権思想のために内政面でペナルティをくらうことになる。 逆に邪悪な”Evil”陣営は回りから嫌われて貿易で大きなマイナスを受ける反面、人造人間や奴隷の獲得などによる非道な行為により労働力を確保できるので、内政面ではプラスに働くことになるだろう。 こうして同じ思想を持つ国家は急速に仲が良くなる反面、思想のはなれた国家とは急激に仲が悪くなって行く。そうした中で結ばれた同盟は「軍事同盟」であり、一国が戦争に突入した場合は同盟国の対戦国に宣戦布告する義務が生じる。宣戦布告をしなかった場合は、同盟国から失望を買うことになるだろう。そのため、各国は同盟国の友誼による始まった宣戦布告が、さらなる宣戦布告を呼び、銀河を巻き込む銀河大戦へと発展するのである。なんだか国連が発足したのに、ファシスト、共産主義、資本主義による世界大戦が始まった世界の歴史の縮図を見るような感じである。
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